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【開催報告】ARAOpenウェルビーイングを享受するまちの開き方を考える2DAYSが楽しすぎた!

有明海に面する熊本県荒尾市において、競馬場跡地で進められている「あらお海陽スマートタウン」の開発。このエリアのまちづくりを推進する「エリアマネージャー」の募集が開始されたタイミングで、荒尾出身の方、現在荒尾のまちづくりに関わっている方、以前関わっていた方、関与度合いを高めようとしている方など、多様な参加者が集まり、荒尾市地域振興部田川部長以下、職員の皆さん、まちづくり関係者の皆さん、エリアマネジメントの立ち上げをお手伝いしている我々マチビトキタルメンバー(木藤、高野、小泉、及川、遠藤、臂が参加)などを含め、2日間総勢23名でエリアマネジメントを思考・試行するセミナーが開催されました。


会場として、荒尾駅周辺で一般社団法人のあそびlaboさんが手掛けているリノベーション物件を贅沢に複数活用させていただき、面的な広がりと、議論が滲み出すような機会となり、良質なプロジェクトは良質な空間で生まれることをあらためて、実感しました。

初日の午前から午後にかけて、荒尾市スマートシティ推進室の宮本室長にエリアをご案内いただくとともに、全体プロジェクトの成り立ちから今までの検討を精緻にご説明いただいたほか、会場を貸してくださったのあそびlaboの中村理事長(本業は医師の中村先生は、昼夜に渡りほとんど同席くださいました。)からもJR荒尾駅周辺を中心とした、のあそびlaboの取り組みと、ウェルネスやウェルビーイングを掲げるスマートタウンの取り組みに対する所感やこれからの関わりについてお話しいただき、それに基づいて企画の骨子を考える時間を過ごしました。

その後はグループに分かれ、それぞれの課題感からopen town、open program、open space、open shutterという4テーマを読み解き、エリアマネジメントとして取り組むことを深掘りする2日間でしたが、先に「生み出したいシーン」をイメージして、それに向かう方法を考えるという遡及的アプローチと、個別の取り組みを積み上げた先に未来を見出す積み上げ方のアプローチ。それぞれの特色が出ていて、とても滋味深かいものでした。。

全員が唸ったキーワードは「ボラ域」。

ボラが生育する汽水域(淡水と海水が混ざり合う水域)のように、ワークとライフといった並び立つ関わり方をいかに広げていくかを軸に据え、それぞれが当事者意識を持ってどのように新しいまちのスタートに関与するか、企画が深められました。

それこそエリアのテーマにしても良いくらい、横串を指すパワーワードが早々に生まれたことで、テーブルが分かれても、地に足のついた検討に繋がりました。

2日目の朝は「オールラウンダーが地域を開く~遊覧船の船頭兼焼き芋職人兼都市計画プランナーの仕事術~ 」と題し、地域で理論と実践を両立させるための創意工夫に満ちた暮らし方について、マチビトキタルメンバーの遠藤からのインプットタイムを設けました。みんな前夜の酒が抜け切らない中と思いきや、心底聞き入り、質疑にも熱がこもっていました。(さすが遠藤選手!)

午後はみっちりとプロジェクトを煮詰める時間に充てられ、クロージングでは各メンバーからとっても興味深く自分ごと化された企画とこれからの関与について、思いが語られました。

短時間であのアウトプットは本当にすごい!!!

参加した方々の特権を大切にしたいので、アウトプットの詳細はここでは書きませんが、生まれたキーワードのみいくつか披露します。

キーワードだけでも、充実の2日間に込められた熱量が伝わると思います。

さてさて、エリアマネジメントの取り組みはその性質上、仕組み化の検討は比較的閉じた場でおこなわれ、導入段階でグッと広がっていくことも多く、知らなかった、聞いていなかったなど、コミュニケーションのあり方を問われる場面があります。

ただ、時すでに遅し、というものではないので、どれだけ多くの方を議論に巻き込めるかと、共感できる・コンテキストの通じる一階層内側の方々の存在がとっても重要です。

そういう意味でも、フィッシュポット的にナカの議論(数人とガッツリ)とソトの議論(先行して検討を進めている市役所ほかのメンバー)をあたためて、時々答え合わせをしながら共有知を高めるような形式が、とても有用に思えます。

そんなこんなで、これからがさらに楽しみになる2日間を経て、それぞれが高揚感を保ちながら帰路につきました。

心通わせる同志が増えた2日間。マチビトキタルとしても、あらお海陽スマートタウンにおけるエリアマネジメントの仕組み化と実装を、引き続き応援していきます!

臂 徹

都内の建設コンサルタント会社で、友人曰く「魂を削りながら」働いていましたが、東日本大震災を契機に、被災地での計画策定や調査業務の傍らで、まちづくり組織の設立に携わる中で、官民の間で仕事をするやりがいを覚え、今は都市や不動産、各種デザインに関わる5つの会社を経営し、地方都市の中心市街地の再生などに取り組んでいます。