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まちづくりの現場でコーディネーターとプロデューサーに求められる役割とは?

「まちづくりの担い手」の一つの立場として「コーディネーター」「プロデューサー」がある。

「まちづくり」に職業として関わる者の多くはこれらの立場を認識していると思うが、明確な役割分担が設定されプロジェクトや業務が進行されることはあまり多くないと思う。

専門家でこの状況なので、言わずもがな一般の方に浸透しているはずはない。

しかしながら、まちづくりの「市民参加」や「協働」が当たり前になっている中で、これらの立場の認識は必須であると考える。

この立場が認識されることにより、「責任や役割の明確化」、「スムーズな意思決定」、「職能としての確立」、「対価の発生」等につながるはずである。

「コーディネーター」「プロデューサー」の認識を拡大させるためにも、これらの立場について再考してみたい。

さて、10/13に開催される「全国まちづくり会議@名古屋(主催:都市計画家協会)」の場で、多くの現場に参画してきたメンバー、現に関わっている方々とこのテーマについてセッションする機会ができた。

そこで設定するテーマがこちらである。

「まちづくりの担い手(コーディネーター、プロデューサー)が役割と収入を両立させながら、地域に定着する方法論を考える」

セッションに向けて、このコラムではテーマに対する「問い」を整理する。

これらの問いについてどのようなセッションが展開されるのか楽しみである。

セッションの結果はまた改めてコラムで整理するので、ぜひ楽しみにしてほしい。

■コーディネーター、プロデューサーとは

そもそもの定義の話である。chatGPTに聞いてみた。

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〇コーディネーター(Coordinator)

・まちづくりにおいてさまざまな関係者の調整役を担う人物

・異なる立場の人々や組織の間で意見やニーズを調整し、合意形成を図る役割

・コミュニケーションを円滑に進め、プロジェクト全体がスムーズに進行するようにする

〇プロデューサー(Producer)

・まちづくりのプロジェクト全体を企画・推進する責任者

・まちづくりのビジョンを描き、それを実現するための資源や人材を集め、プロジェクトを成功に導く

・戦略的な視点でプロジェクトの全体像を描き、リソースの最適な配分を行う

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問いを整理する。

〇chatGPTの回答に補足や修正、コメントはあるか

・まちづくりにおける「プロデューサー」は、「責任者」として位置付けられるほど明確にして良いものか。多くの関係者が集まるまちづくりにおいて、プロデューサーの判断だけで決まることはないと思う。

〇実際の現場で、これらの役割は明確に設定されているか。設定されるべきなのか

・私自身の経験では明確に設定されたことはほぼないが、振り返ってみると「なんとなく設定されていた」という感覚である。

・「地域コーディネーター」という言葉を使ったことはあるが、上記の役割の違いが明確化されていたわけではない。

・両方を担うパターンももちろんあると思う。

〇これらの役割を担う者は誰か

・例えば、地域住民、行政、コンサルタント、学識経験者は、それぞれ担う役割は決まっているのか。

■コーディネーター、プロデューサーが役割と収入を両立させながら、地域に定着する方法

本題だが、これについてもchatGPTに聞いてみた。

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1. 地域との信頼関係を築く

コミュニティ活動への積極参加、フィードバックの重視、持続可能な関係性

2. 自治体やNPOとの協力体制を強化する

官民連携、助成金や補助金の活用、NPO活動の活用

3. 長期的なビジョンを持ち、スキルを継続的に磨く

事業や取組に関する見識、ファシリテーション能力、実践経験

4. 複数の収入源を持つ

コンサルティング業務、講師や研修、地元企業との連携

5. プロデュースするプロジェクトに収益構造を組み込む

地域資源を活かした事業化、社会的企業(ソーシャルビジネス)の立ち上げ

6. 自分自身をブランド化する

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〇chatGPTの回答に補足や修正、コメントはあるか

・「コーディネーター」「プロデューサー」という立場を積極的に使用し、役割や職能として認められるような動きも必要かもしれない。

・専門家としてまちづくりに関わる人は、1~4は既に実施・探求していて、5・6は今の時代に求められる手法、という印象である。

〇それぞれのポイントに対して、みなさんが取り組んでいること、意識していることはあるか

・みなさんの実践を聞いてみたい。

〇「こんなコーディネーター・プロデューサーは嫌だ」はあるか

・これを考えることで、良きコーディネーター・プロデューサーの姿が見えてくるかもしれない。

〇認識を拡大する上での課題

・まちづくりの業界において、「あれは自分がやった」とは言ってはいけない空気感がある。もっと言っていいんじゃない?やっぱりダメ?

〇これらの立場を求めている現場

・参加者の中から、これらの立場を求めている方のお話を聞いてみたい。

及川 一輝

「未来に一歩踏み出せる地域をつくる」を志として、日々励んでいます。大学院卒業後、岩手県大槌町で復興事業の計画策定やコミュニティ形成に取り組んできました。その仕事にやりがいを感じる一方で、計画策定の仕事から感じるモヤモヤ感(実現性、自分の説得力のなさ)と仲間との出会いから、地域課題にアプローチする事業にチャレンジしました。プランナー、事業者の2つの立場でまちに関わっています。