都会から地方に拠点を移しにくい、あるいは移住しにくい一つの要因として、専門家の話に身近に触れることのできる機会の格差があるんじゃないかと思ってます。都市部では、各所で様々な主体やテーマによるセミナーや講演会が開催され、気になる情報や聞いてみたい専門家の話を聞く機会が割と多く開けています 。一方、地方部では行政や商工会等が開催する年に数回の講演会等の機会しかないことも多く、必ずしも興味のあるテーマではなかったり、話を聞くだけで終わってしまうかもしれません。
行政や商工会からコーディネートを依頼されて、講師を選んだり、講演会を企画する機会があればよいのですが、そうだとしても(まだそこを任せてもらえるだけの実績や認知等々が足りていない点は精進あるのみですが・・・)、自分だけでなく、周りの人たちにも聞いてもらいたい専門家の話を聞ける場がもっと増えていくと良いなと思っています。
私の場合は都市計画・都市デザインをベースに、地域のまちづくりに係わっていきたい、貢献していきたいと思っているので、その関連の方たち、まちをつくることや育てることのプロフェッショナルの方々に声をかけて、地域のまちづくりの担い手が実践できるアクションを参加者自身が考える一助になることを目指したトーク企画を開催しようと考えました。
タイミングよく、地域の仲間とコワーキングスペース「三丁町コモンズ」をオープンさせたこともあり、この場を活用して「アンドトーク」という企画を定期的に開催することとなりました。記念すべき第一回のゲストは都市デザイン・プレイスメイキングの専門家、園田聡さん。いずれは現地だけでなくオンライン参加も可能なハイブリッド開催にしたかったり、続けていくための資金繰りも考えたり、課題は残ってますが、まずは開催する!機会を作る!地域の方に聞いてほしい専門家を呼んでいきながら、まちに何か動きが生まれると良いなと。模索しながら周りに見える動きを興していく、それもマチビトができる大切な役割の一つだと信じて。

高野 哲矢
2018年5月に福井県小浜市に引っ越しました。都心部での暮らしも仕事も楽しんでいたけれど、都市計画コンサルタントとして働きながら、地方で生きていく経験にも興味を持ちました。地域DMOで観光地域づくりの現場を経験し、今は妻と二人で小さな合同会社を立ち上げ、企画やデザイン、まちづくりの支援等を通じて、まちの活性化に取り組んでいます。